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2010年7月10日 (土)

本【精神科ER 緊急救命室/備瀬哲弘】

精神科ER 緊急救命室/備瀬哲弘

精神科医のノンフィクション

「患者の心の叫び」というよりは、精神科救命のちょっとした紹介みたいな感じでした。

精神科の患者に向けられる偏見に憤ったり、
治療の事で思い悩んだりしている所は、この人、いい人なんだろうなぁという印象。
作者近影の顔写真がめっちゃ笑顔だし。

救命のシステム上しょうがないと説明はされていますが、すぐに転院してしまうので物語的には物足りない。
転院していった患者さんのその後の経過もほとんどなし。
治療の事や医師の仕事などの説明もちょこちょこされてはいるんですが、
読み物としての面白さよりも、現場の空気、それも綺麗な部分を抜き出してみたというところか。

ちょっと良い話もあり、思っていたよりかなり爽やかな感じ……と、
これも病気の方や医師に対する偏見となるのでしょうか。

なかなか興味深く読んでいたのですが、
最後はなぜかイチオシの治療法、電気けいれん療法(ECT)のセールストークのようになっていた。

まあ、それはいいとして……少し気になるのが、
ひきこもりで母親に暴力を振るい続ける女の子が出て来るんですが、
書類を見ただけで病的な部分を疑わせることはなさそう、と判断されています。
この時点で知識のない私には何をもって病気なのかそうでないのか解りませんが、
この子は自分でも感情がコントロールできず母親に暴力を振るってしまうという。
しかし妄想や幻覚はなく「精神病症状は認められない」となっています。
結局この子は、保護と休息の意味で入院し、理由はわからないけれども学校にも通うようになるのでまぁいいです。

別のケースの20代男性で、怒りっぽく、暴力的ないわゆるDQN
(先生を蹴り倒してトラウマを植えつけた)も精神病ではないらしい。
(精神病を患った人が皆暴力的という事ではないです)

病気だったら薬など、治療で改善するだろうが、社会生活を営めないのに「ただの性格」とか診断される方が怖いな……。

むしろ「病気」と判断されない人ってどうしたらいいんだろう?
本人に治したい気持ちがあってもなくても改善はかなり難しそうです。

ナツイチ2010のラインナップだったので購入したんですが、
新品で買うにはちょっと高いかなぁ~。

ブン豪ストラップが出ねぇしよう……

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