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2010年7月25日 (日)

本【街の灯/北村 薫】

街の灯/北村 薫

上流階級花村家にやってきた女性運転手の別宮(べっく)みつ子。
花村家の令嬢・英子は彼女を小説の登場人物にちなんで「ベッキーさん」と呼ぶ事にした。

ベッキーさんと英子の二人で話をするうちに事件の真相に近づいて行く連作短編集。

北村薫氏の小説に共通する事ですが、とても穏やかに話が展開していきます。
ベッキーさんと英子のコンビで事件や謎を解いていくのがメインの流れ、
事件自体のトリック等はありがちといえばそれまでですが、
巻末の参考文献を見てもわかるように舞台になっている昭和7年がとても丁寧に書かれています。
それも「昭和の普通の暮らし」ではなく、出てくるのは上流階級のお嬢様方。
文字だけでも華やかさが伝わってきます。

車で学校へ送り迎えはあたりまえ、別荘を所有、お友達は馬を乗り回す

なんか、オサレアニメとかに出来そうだなぁ。
ちょっと見てみたい。
ノイタミナ枠にでもどうでしょう。
可愛らしく華やかなお嬢様と、カッコ良く綺麗なベッキーさん。
アニメになったら、ぐうたら兄はすごいイケメン化するんだろうなぁ。
CLAMPがキャラデザした「魍魎のはこ」みたいな感じで……

いっその事実写化して、三丁目の夕日みたいにフルCGで当時の銀座の町並みを再現しても面白いかも。

メインのお話は、丁寧すぎてなかなか本題に入らないような気もしないでもないかなぁ……。
いや、事件解決は本題ではないのかもしれない。
実際、事件だとかより、ベッキーさんのキャラクターを楽しむのが正しいのか。
読み終わってもベッキーさんはミステリアスなまま。
それもそのはず、ベッキーさんシリーズはまだまだ続いています。
直木賞を受賞した「鷺と雪」もその一つ。
他の物もそのうち読んでみたいと思います。

最初の「虚栄の市」に江戸川乱歩の小説がちょこっと出てきたりして、ファンにはちょっと嬉しい。
自ら穴を掘って、その中で死んでいた男性が発見される。
その男が江戸川乱歩の小説を愛読していた事から新聞で猟奇的に煽られるが、
同じ晩、同じ下宿に住む男が別の場所で溺死していた。

「乱歩なんかを読んでるんだから、猟奇の徒。何をするか分からないって調子よ」
ファンには嬉し……くなかった。

江戸川乱歩の、あの作品が登場!

最初、ははぁ「断崖」か(キリッ 
と思ったけど全然違った。ははは。

傑作選の中にも収録されているアレです。
序盤・中盤はすごく好きだが、名探偵の明智さんが出てくると
主役が入れ替わってしまってどうも面白くない。そんな感じのアレ!

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