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2010年7月 8日 (木)

本【砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹】

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない/桜庭一樹

普段はあまり青春小説的なものを読まないんだけど、
文学的というか、カッコイイタイトルと、不安定かつオシャレっぽい表紙に惹かれて購入した。
(と言いたい所だが、本当はハッケンくんストラップのため、だなんて口が裂けても言えないよね)

物語は「海野藻屑」の死亡を報じる新聞記事の抜粋から始まる。
うみのもくずwすげー名前!とか笑って、次のページで笑顔が凍りついた。
「海野藻屑」が転校してくるんだもん。
勿論同姓同名な人ではなく、生き返った訳でもなく、海野藻屑が転校してきてから亡くなるまでの話という事。
これは辛い。

あらすじ:海野藻屑という、名前からして変わった女の子が転入してくる。
初めてクラスに来た日、自分を人魚だと言い張り、ミネラルウォーターをガブガブ飲み、大袈裟に足を引きずって歩いて見せた。
地元出身の有名アーティストの子供だという噂にクラスも興味津々。
一方、同じクラスになった山田なぎさは、お金という“実弾”を手に入れるため、高校には行かず自衛官になる事を志望していた。
“実弾”にならない事には関わらないと決めているなぎさだったが、
転んだ藻屑の足に殴打の痕を見てしまう。
見られた事に気が付いた藻屑が「死んじゃえ」といった同じ日、「友達になって」と言った。
“実弾”を求めるなぎさと、“砂糖菓子の弾丸”を打ち続ける「友達」との一ヶ月。

青春小説!!
文章自体はなぎさの「あたし」という一人称で語られているので軽やか。
残酷な事や暴力が繰り広げられる一方で、夏の終わりの田舎風景だけなんだか鮮やか。
美人で変人の藻屑とかひきこもり貴族の兄とかキャラクターが良い感じですね。良いだけに色々酷いけど。

やっぱり冒頭の新聞記事に話が繋がるのか……と、読んでいるうちに息が詰まってくる。
担任がラストあたりで急に目立ってたのは何なんだろう。

後味が、というより先味(笑)が悪い!

結末が分かっているので感情移入したくないんだけど、
読後にこれだけモヤモヤしているって事は、感情移入してたって事ですかねぇ。
どうしたら良いのか、最後まで正解がないお話だ。

イタい、痛い、そして遺体……。
洒落にならないから!
印象に残る、というか残ってしまうお話でした。
元々はイラスト付きのライトノベルとして単行本が出ていたようですが、
キャラクターが強くて想像しやすいので、文章だけで十分。
話は短いので、綺麗で残酷なショートフィルムを見たような印象でした。
タイトルが本当カッコイイ。


紹介文がなにげに「青春暗黒ミステリー」から「青春文学」に変わってる。
たしかにミステリーではないよなぁ。
謎はあっても解決する為の謎じゃないし……。


なぎさの兄(ひきこもり王子)まさかサイコパステストを出してくるとは思わなかった!
旦那の葬式に訪れた同僚に惹かれた女が子供を殺しました、なぜでしょう?ってやつ。



この中に出て来るのが元なのか派生なのかは知らないけど、ちょっと違ってますけどね。
サンタクロースのやつはただの後味悪クイズだろ……。
森野はサイコパスじゃないから全然当たりませんでした。
自販機のやつだけ向こう側だったけど偶々だね。

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