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2012年8月 5日 (日)

【本】九十九怪談 第三夜/木原 浩勝

九十九怪談 第三夜/木原 浩勝


短い話が沢山読めて面白いんですが、百物語としてみるとかなり微妙です。

まず「怖い」話がほとんど無く、あんまり印象に残る話も無かった。
不思議ネタは好きなので、決して詰まらなくはないけど、インパクトが薄いというか。
一晩で読破する一人百物語をやろうと思って買ったので
ゾッとするようなタイプの怖い話をもっと読みたかった。

新耳袋みたいにカテゴリー分けはされていないんですが
何処となく似た話が続いているのは何でだろう?
最初の数話を読んで、やけに電車関連の話が続くから
カテゴリー分けされているのかと思った。

最終話「弟みたいなの」は最後に余韻を残そうとしたのだろうか?
怪現象に説明がつかないのは構わないけど、
友達の家での体験で、その後も友達とは学校とかで会うだろうに何の説明もなく終わっちゃう。
「友達」は生きて存在しているんだから、
「その後疎遠になった」程度でもその部分の説明がないと
実話怪談の体が崩れちゃうような……。

同じ人の話が多いのはまあ良いとしても、話の区切り方がセコい。
百物語をするとして、何人かで集まって一人の話が終わった後ロウソクを消して
次の話が「その事(前の話)があった後」ってはじまると思うと違和感があるし
それって全部で一話じゃないの?というような話が分けられているため
なんだか水増しのようなセコさを感じてしまう。
サーバールームの話とか、結構好きだけど一話にまとめてほしかった。
話が終わった後の無駄な余白も多かったからなおさら。

不思議系統の話は良いものも多く、夏に出すシリーズと言うより
秋の夜長にでも読みたい一冊でした。

個人的に面白いと思った話は、
おばあちゃんの家に行ったら、居間におばあちゃんが座っているのに
家の奥からもおばあちゃんが出てきて、びっくりしていたら出迎えに来た方のおばあちゃんが
「また私が出たの。私には見えないんだけどね」って言う話。

おばあちゃんの飄々とした対応で、
残像とは……デキるばあちゃんだな!とか思ってほのぼのしそうになったけど
よくよく考えると「自分がもう一人座ってる」って家族とかに言われたら結構怖い。
いつも座ってる場所だったら、自分には見えないから普段は気付かずに重なってるの?
ある日突然見えたら……入れ替わられちゃったりして。

パソコンの前とかにも見えない自分が座ってたら……うわー!

 
ちなみに、一夜ですべて読んでも何も無かったので安心して読めますよ。
(何か起きても責任は負いかねます)

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