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2019年9月14日 (土)

10円玉のコックリさん

前回「コップのコックリさん」の事を書いて
「結局よくわかりませんでした」という衝撃のラストを迎えた
私のコックリさん研究、誰も読んでないのにまさかの続編です。

今現在、コックリさんと言えば10円玉。
そもそも、なんで10円玉を使うのか?
という疑問についてです。

結論から先に言いますと

よくわかりませんでした

          終


……というのは寂しいので、一応集めた情報をどうぞ!

まず、コックリさんの起源をさかのぼってみましょう。
本当は長すぎてカットしようと思ったけど、
せっかく書いたのに消すのもったいないということで載せておきます。

井上円了『妖怪玄談』によると
数人で手を乗せたテーブルが傾いたり動いたりする降霊術「テーブルターニング」
明治時代にアメリカから持ち込まれた説が有力なようで、
日本では竹の棒を三脚状に束ねて上におひつの蓋やお盆などを乗せた簡易テーブルを作って真似たそうです。
これがコックリさんと呼ばれるようになり、狐狗狸さんという当て字の元になったとか。

この段階でも三脚の長さだとか作法だとかに各地でバリエーションがあったらしいですが
一方でもっと昔から日本にもコックリさんぽいものがあった説も気になるところ。
織田信長がやったとかなんとか。
そのうち磯田道史さんのような人がどこかの古文書から見つけ出してくれるのではと期待。

中国でも古くから降霊術的な占いがあり、
こちらも文字盤は使わず、棒状のものや筆を使った自動書記のようなものらしい。

ヨーロッパでも「プランシェット」という、ハート型っぽい三角の板の先端に
鉛筆を差し込んで、それに数人が手を添えて筆記する道具が生まれます。
権利の譲渡や開発を経て1892年ごろに玩具メーカーでも発売されたのが「ウィジャボード」

よりコックリさんに近い文字盤を使う「ウィジャボード」
YES・NOやアルファベットが書かれたボードの上で「プランシェット」に複数人で手を乗せます。
プランシェットの大きさは様々ですが、だいたい穴から文字が覗くように動き、
ものによっては小さくて矢印風に使うものもあるっぽいです。

「テーブルターニング」はテーブルの動き方だけなので、
勝手に動くという驚きでは満足出来ても
どういう風になったらYESなのか、が知らない人にはよくわからないし
「自動書記」系のものも同じく、勝手に動いて書いたとしても
それが全ての人に通じるような意味のある言葉や絵になることは
少なかったのではないでしょうか。
明確に出過ぎても動かしてる奴の意思が入り過ぎな感じがするし。

日本では明治時代ブームが去って以降は下火になっていたとされていますが
「ウィジャボード」等が入って来たか、手っ取り早く質問にYES・NO以外で答えを出すためか
簡易的に手書きの文字盤を作ったのだと思われます。

実際文字盤を使うようになったのもいつ頃なのかよくわからず
もう行き詰まってしまいましたが、
それで結局なんで硬貨なの?というのが

前回も参考にした「昭和こどもオカルト回顧録」にて
初見健一さんが書いていました
http://gakkenmu.jp/column/16261/

70年代のブームの前にも大きく流行した時期が二度あり、
一度目は
“明治から大正にかけてのころ。このときに流行の発信源になったのは
主に芸妓の女性たちで、花街における酒宴の余興としてブームになったらしい”
二度目が
“その次が戦中だ。出征した夫の安否を占うため、銃後の主婦の間で行われることが多くなったという。
一説によれば、それまでの古典的「コックリさん」は割り箸やおちょこを用いる方法で行われていたが、
このころに硬貨(五銭銅貨など)が使われるようになったのだそうだ。こうした背景には、
「夫に四銭九銭(死線苦戦)を越えてほしい」という戦時の妻たちの願いが込められていたといわれている”

“死線苦戦を越えると掛けて”という説。
こちらの願掛けは結構広く言い伝えられていたようで
ウィキペディアの「千人針」の項目にもありました。
死線(四銭)を越える→五銭、苦戦(九銭)を越える→十銭
で、五銭と十銭を糸で縫い付けると。
(このページ、「穴の開いていない硬貨」って書いてあるけど「開いている」の間違いじゃないかな?どっちだろう?)

語呂合わせ願掛けはなんとなく頷けます。
でも、なんで10円玉に完全固定されたのかは結局よくわかりません。

日本銀行のサイトにあるQ&Aで
“1円未満の紙幣(お札)や貨幣(硬貨)については、1953年(昭和28年)に制定された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」(いわゆる小額通貨整理法)により、発行が停止されました。また、それまでに発行されていた1円未満の紙幣や貨幣も、同年12月31日限りで通用力を失いました”
というので、戦後早い段階で五銭十銭は既に手に入りにくいものになっていたのかな……?

「銭」じゃなくなったなら、まだ5円玉の方が「ご縁」の語呂合わせ成立してるし、
50円玉の方がカッコイイのに、なぜ10円玉なのか。
ただ単に10銭が無いから10円というのもつまらないですが
検索していたら「10円以外の硬貨を使うと悪い事が起こる」という説が書かれているものもありました。
10円玉の発効前は……みんな悪い事が起こったんでしょうか。

海外でもちょこちょこ「コイン」を使ったウィジャ、またはスピリットものがありますが、
もちろんその国の小銭が使われています。
ネットにあるくらいだからしょうがないけど、年代も新しいので
いつ頃からどんな感じで使われているとかは全くわかりません。

「ウィジャボード」でポインターとして使われているプランシェットは
丸い穴、もしくはガラスがはめ込まれた窓があり、
海外のサイトで自作のウィジャボードの解説をしているものを見たら
何でもいいから「輪っか」という説明がされていました。

むむっ!もしかして、最初は「穴あき」であることで十銭などが選ばれたのかもしれないですね。
それが語呂合わせの方が意味が強くなり、
やがて十銭が手に入らなくなると数字だけ残って10円玉に?

この「穴」に関してはウィジャボードを使ったホラー映画
「ウィジャビギニング~呪い襲い殺す~」(この邦題付けた人どんな頭してんだ)の中で
“プランシェットの穴を覗くと霊が見える”という設定があり
※予告編結構キモいので貼りませんがYouTubeで見られます

あの穴があっち側とこっち側の「窓」や「目」みたいな役割だったのかな……
というのは今考えました。

でも海外コックリさん系のボード占いで使ってるコインは穴なんて無いんですよね。
あれ?そういえば海外の小銭って穴あきのやつあるのかな?

うーん、よくわかりませんね!

戦中、戦後は硬貨以外だと箸なんかも使われてたらしく
「怪異・妖怪伝承データベース」でも先程のコラム同様
“戦時中や終戦直後、肉親の安否や復員などをコックリさんで占った。いろは四十八文字・1から9、0までの数字などの紙の上に2人が1体ずつ箸を持ち、もう1本の箸を指針として占った。また、イロミといってトランプの勝敗や恋愛問題、博打の目などもコックリさんで占った。終わったら箸はバラバラにして捨てた。コックリサンにも占の得意不得意があるらしく、占の目的に合うコックリサンがあらわれるまで何度も呼び出したり帰っていただいたりする”

こう書いてあるんですが
2人が一体ずつ箸を持ち、もう1本の箸を指針に……???
え?どういうこと?
どうやって占ってるか読んでもわからない……。

たぶんこれと近いのが
1958年の『宝石』にて
三島由紀夫や江戸川乱歩が集い、こっくりさんをやった
「狐狗狸の夕べ」という記事の写真があるのですが
そこでは文字盤の上で箸を三本括ったものを目隠しした二人が握るという方式でした。
動かす人が目隠ししていることで持つ人の意思を遮断しているのが面白いですね。

この時集まったメンバーの中では、
テーブルターニング方式と、文字盤を使った箸方式が話し合われているようです。

戦後なら、もうコップ・硬貨に絞られているかと思ったのに
ますますよくわからないですね……。
箸・コップ・硬貨など、それぞれご家庭レベルで狭く狭く受け継がれていた感じでしょうか。

色々なものを使ったコックリさんが入り乱れるなか
ついに情報の多い70年代へ。
70年代日本コックリさんブームの一端を担う
“1973年つのだじろうの漫画『うしろの百太郎』が連載開始
「うしろの百太郎に出てきたコックリさんが少年少女の間で大ブーム」”
漫画を見てみると
40
おちょこ!!
70年代ブーム、10円玉の幕開けのはずが古典的なものでした。
まさかの下から指を入れて浮かせるというものすごく疲れそうな方式。
その上おちょこの上部分に油をいれるとか。
数分で二の腕プルプルしそう。
あと紙デカっ。
ほらほら、コップ系はこんなに紙デカくなるんすよ
それにしてもデカい。
しかし、この話(こっくり殺人事件)ではおちょこを使っていますが、
同漫画連載の別の話ではしれっと10円玉になっているみたいです。

1991年に発売したビデオアニメ版では同じシーンも
41
10円玉になっていました。

手元にあるつのだじろうの別の漫画
『学園七不思議』(1986年~1989年)に収録されている
「狐火」にもコックリさんをするシーンがあり
42
ええっ!まさかの500円!!
最高金額いただきました。

70年代~80年代でも10円玉が強いものの、まだ別の硬貨が使われる事もあったんでしょうか……。

よく聞くコックリさんルールでは
コックリさんに使ったもの(10円や鉛筆)はすぐに処分しなくてはいけないと言われていて、
10円玉なら使うにしても捨てるにしてもそれほど惜しくないというチョイスなのか。
コップとかおちょこは学校に持って行くのも子供が持ち出すのもちょっと難しいですからね
500円にもなると、コックリさんやる度に適当に使うのがもったいない。
お店で使うならまだしも、川に流すとかのバカな説もありましたから。

コックリさん=10円玉になった70年代ブームの頃オカルト界隈で大活躍した
中岡俊哉さんの事が書かれた本『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』では
表紙のカバー裏に“中岡俊哉公式”コックリさんの文字盤が印刷されていて、やりかたとして10円玉で説明されています。
本人の書いた本も沢山あるので、もしかしたら年代によって違うのかもしれませんが
やっぱり70年代の中心は10円玉なんでしょうねぇ。

それで、なぜ、10円玉なのか……。
単に10銭の置き換えで10円というなら
5銭の置き換えで5円だっていいはず。

しかし、実物を見てみると、なんとなくわかるような気がするのは
小銭の中で500円玉を除くと一番大きいのが10円玉(23.5mm)であり
5円玉(22.0mm)はほんの少し小さい。
コックリさんは3~4人でやることも多いので10円玉の方が適材と言える(強引)

重さも10円玉が4.5gであるのに対し5円玉は3.75gと軽いため
金額以上に「なんか安っぽい」ということであまり重用されなかったのではないでしょうか。

あとの100円、50円はシルバーなので明るい感じでオカルトに不向き!
ということでどうでしょう。駄目ですか。

テーブルに始まり、箸、おちょこ、コップ、硬貨、鉛筆など
様々な道具が生まれては消えていったコックリさん。

90年代以降自分が見た本やテレビ番組ではほとんど10円玉のイメージだったと思います。
実際にやる時も10円玉以外を使うことは無かったですね。
鉛筆バージョンはやったことないけど存在はなんとなく知っていましたが
自分は特にコックリさんに聞きたい事も無くて、やった回数自体も少なかったのであんまり印象がないんですよね……
べ、別に友達が居なくてやれなかったわけじゃないっすよ!
子供の時は居ましたから!(今は……)
昔は誰ともなくコックリさん情報を言い出す人がいて
途中で手を離すと呪われるとか、10円玉の処分みたいな基本情報から
コックリさんを呼ぶ時には窓を開けるとか「西側の窓からお入り下さい」と詳しく案内するとか
油揚げを準備する(絵でも良い)とか、何処から出たのか分からないネタも沢山ありました。

そして近年、メキシコのコックリさんという触れ込みで
「チャーリーゲーム」という、鉛筆を十字に重ね合わせる
触らない簡易コックリさんのようなものがちょこっとブームになったり
海外ではウィジャアプリが出ていたりと細々と受け継がれている感じがします。

今はキャッシュレス化の時代なので
また何か新しいものを使ったコックリさんが生まれるかもしれませんね!
わりと最近でも集団ヒステリー事件が起きたりしてるので
繊細な人はやらないように気を付けましょう!

一応もう一回書いておきます
「この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。
情報のある方はコメントなどでお知らせ頂き、記事の信頼向上にご協力下さい。」

あと、少し申し上げにくいのですが
コーヒー一杯分といわず、5億円を寄付して頂ければ森野が一生幸せに暮らせます。
(Wikipediaを上回るウザさ!)

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コメント

はじめまして
とび森プレイ日記でこちらのブログを知って、他の記事も面白くて度々拝見させて頂いてる者です。
こっくりさんといえば、私の母が小学生の時にこっくりさんで滅茶苦茶恐ろしい目にあった話を思い出したのでちょっと紹介を。

当時母は夕方学校で友達4人とこっくりさんをしてたらしいんですが、突然こっくりさんが『コ/ロス』の文字しか示さなくなったそうです。
窓の外を見ると校庭の左半分が快晴、右半分が土砂降りになり、こっくりさんが帰るまで10円玉から指が離れなくなったらしいです。
後で聞いた話だと、こっくりさんは戌年の人と相性が悪いとか。一緒にやってた友達の中に学年違いで戌年の子がいたのでそれが原因かもしれないと母は言ってました。

投稿: | 2019年9月16日 (月) 13時16分

はじめまして
とび森プレイ日記でこちらのブログを知って、他の記事も面白くて度々拝見させて頂いてる者です。
こっくりさんといえば、私の母が小学生の時にこっくりさんで滅茶苦茶恐ろしい目にあった話を思い出したのでちょっと紹介を。

当時母は夕方学校で友達4人とこっくりさんをしてたらしいんですが、突然こっくりさんが『コ/ロス』の文字しか示さなくなったそうです。
窓の外を見ると校庭の左半分が快晴、右半分が土砂降りになっていて、こっくりさんが帰るまで10円玉から指が動かなくなったらしいです。
後から聞いた話だと、戌年の人はこっくりさんと相性が悪いとか。一緒にやってた友達の中に学年違いで戌年の子がいて、それが原因かもしれないと母は言ってました。
戌年が狐と相性悪いというのはよくある話らしくて、稲荷神社にも行かない方がいいらしいですよ。
長々と失礼しました。

投稿: そーじん | 2019年9月16日 (月) 13時27分

そーじんさん、はじめまして!
ちょうど半分天気が分かれるとは神秘的ですね~
確かにコックリさんを調べている時に「戌年との相性が悪い」という説を見かけましたが
逆に「戌年の人が居ると憑かれない」説も見たので
半分だけの土砂降りというのがどちらにしてもなんだか意味深で興味深いですね!ありがとうございます!

投稿: 森野 | 2019年9月16日 (月) 19時38分

やっぱりコップ(おちょこ)の場合は紙がでかいんですね!(笑)
外国にもこっくりさんもどきがあることも初めて知りました。
小中学生のときの放課後に友達数人がやってみよーよ!なんて言い出しやがって本当に怖くて無理で…
一切の空気を読まずに拒否をして帰宅したのですが、
次の日にやった子達の中で「あいつが動かしてた」「あの結果はあり得ない」だの喧嘩していて、本当にやらなくて良かったと思った思い出があります…

投稿: ぽん | 2019年9月17日 (火) 19時45分

ぽんさん
確かにコックリさんをやってケンカする人多かった気がします!
変な答えとか、わざと押して手を離させてお前呪われたー!みたいなやつとか(笑)
本当に、やらないのが一番ですね。

投稿: 森野 | 2019年9月18日 (水) 19時41分

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