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2020年2月22日 (土)

【小説】死国/板東眞砂子


死国/板東眞砂子

昔映画になっててタイトルだけ聞いたことある系ホラー小説

十数年ぶりに、子供時代を過ごした村へ行く比奈子。
昔いつも一緒に遊んでいた幼馴染の莎代里が既に亡くなっている事を知り
莎代里の母親が変な儀式を行っていることはさておき
東京で男に振り回され疲れた比奈子が同級生に誘われ参加した同窓会で初恋の人・文也に再会する。


最初の方は何人かの視点を掛け持ちして話が進むため
こいつ誰だっけ状態になりやすいけど、読み進めるうちに人物像がはっきりしてくるので
その辺はまあまあ問題なし。

高知県の小さな村が舞台になっていて
人の距離感が近くて楽しくもありうざったくもあり
良すぎもせず悪すぎもしない田舎の感じは結構好きでした。
急に怒りだして不機嫌になる爺さんの気まずい感じとかすごくリアルですね。

儀式によって既に亡くなったはずの人達の気配が村中に……
という流れは良いのですが
比奈子が色恋のことばかり考えていて、かなり自分勝手。

脇役の人達は方言で生活感があるのに対してメインの比奈子や文也はいかにも小説的な
「~だわ」「~かしら」「~さ」みたいなスカした感じで喋り
性格的にもあまり好感が持てない。

メインは比奈子と文也、そして死んだ莎代里との三角関係な感じなんですが
読み進むほど思うのが

文也って取り合うほどの男かね?

文也視点で書かれるパートもあるけど
言い訳じみた事ばっかりで郷土史を調べてる学者もどきのわりに探究心も感じられないし
いかにも物事に向き合わないで逃げてる感を出しまくっている。

だいたい、小学生の頃好きだった男なんてせいぜい「足が速い」程度の魅力だろうに
既に大人の比奈子はどこが好きで入れ込んでるのかよくわからない。
よっぽど顔面が良いとか背が高いとかの秘密があるんでしょうか。
杏の旦那の人みたいな感じでしょうか。

読んでいる間
「あんた!やめときなさいよあんな男!
さっさと見切りつけて東京帰んなさいよ!」
みたいな脳内おばさんのツッコミで頭がいっぱいになりました。

どうでもいいけど、わりと緊迫したシーンで
比奈子の意見を文也がそっけなく否定したとき
「二人の間に突然そそり立つ壁が」という表現が出てきてなんか笑っちゃいました。
そそり立つ壁があったらそこはもうSASUKEや!(すみません)

不気味な感じの演出なんかは良いのに
いまいちな恋愛の方が目立っちゃって個人的にはもったいないと思いました。
知らん人らの恋愛とかどうでもいいので
もっと、協力して謎を追求して欲しかった。
長年意識不明の人が突然目覚めてメッセージを託される一大イベントの直後に
それより恋愛の悩みが上回ってる女……いいかげんにしろい!

最初に村に行くまでの道で、タクシーから子供連れで歩くお遍路さんを見た……
と思ったらお遍路さんは一人だけだったという何かを予感させるシーンの不気味感は良くて
これから何が起こるのかワクワクしたのに……!なんだか惜しい作品でした。

映画は見たことないんですけど、主人公とか人物の設定とか
ちょっと変えたらすごく面白くなりそう。
うーん、もったいない!

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【書籍・小説】ホラー系」カテゴリの記事

コメント

前回のワニ映画といいこちらのホラー?話といい、もりのさんの紹介は本当に面白いです(^^)

投稿: ぽん | 2020年2月23日 (日) 20時16分

ぽんさん
ありがとうございます!
もっと、読みたくなるような紹介が出来るといいんですが……(笑)

投稿: 森野 | 2020年2月24日 (月) 20時20分

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