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2020年5月17日 (日)

【ひきこもり本】ターン

ひきこもり環境本再読シリーズ第三弾

ターン/北村 薫

交通事故で車ごとひっくり返った……と思った次の瞬間、自宅でうたた寝から目覚めた版画家の女性。
自分にも車にも事故の形跡はなく、日付は事故の前日だった。
ところが、目覚めてからは何処に行っても人の気配がなく
翌日の同じ時間、再びうたた寝から目覚めた瞬間に戻ってしまう。


誰も居ない世界で同じ一日を繰り返すこの状況!
どこでもなんでもやり放題ヒャッハー!

……なんていう感じではなく、現象の事をあれこれ考えて検証したり
誰も居ないスーパーでも服屋でも律儀に料金を支払ったりと
なかなか上品な女性が主人公です。
君はこう思った。とかいう謎の二人称解説口調と脳内会話は
このねえちゃん誰と喋ってんの?とクセがありますが
とりあえず流して気にせず進みましょう。

人間どころか虫や動物も居ない静寂世界
ドラえもんの道具の鏡の中の世界に入るやつみたいですね。
鏡が割れちゃって帰れない!ってやつ、結構怖かったな~。
まあスモールライトであっさり解決するんですけどね。って何の話してんだ!どうでもいいわ!

記憶は消えず蓄積されますが
どんな行動をしても元の状態に戻るので
作業や日記とかの積み重ねが出来ないのがつらいところ。

でも勝手に元に戻るので、怪我をしても持ち越しなし
盛大に料理作ったり散らかしても片付けなくて良いし
大暴れして破壊の限りを尽くしても直るし
お店の物とか食品関係の劣化が1日分しか無いからその点は少し良いっちゃ良いですね。
店も道路も貸し切りで遊び放題!
人の家とか普段入れないお店のバックスペースとか見たい!
でも理想のアジトを作っても1日だけでパア!
やっぱヤダ!
(この小説ではそんな変な事はほとんどしてません)

主人公が虫の声のCDを流して眠ったように
動物も居ない世界は静寂すぎてキツイですかね。
しかも100日以上そんな状態が続いたらさすがにやりたいことも尽きるかなあ。
ちょっと前の時代だからネットフリックスとかも無いし!
新幹線とか飛行機も動かないのであんまり遠くにも行けないし!

そしてその日たまたま入れ方が悪くて冷蔵庫のドアを開けるとスライスチーズが落ちる描写があり
(あるある!やっぱりどこのご家庭でもチーズって落ちてくるもんなんですかね!?)
主人公は毎日が同じ1日だから、最初に開ける一回は絶対にチーズが落ちてくるという軽い地獄

起点の日がコンディション悪いと最悪だな~!
車のガソリンが残りわずかとか、
前髪がちょうど目に入って邪魔な時とか爪が欠けててひっかかる時とかにループに入ったら
戻る度に切ったり同じ行動しなきゃいけないし……。

どんだけ長々書いてんだって感じですけど
その辺は特に問題なく流して、
ある日主人公と元の世界で小さな繋がりが発生し
不思議な物語が進んでいきます。

こんな風に自分なら何するかとかあれこれ考えて読み進んでいると……
なんだよ!ロマンチックラブストーリーじゃねえか!バカヤロー!
いや、別にいいけどさ!
再読なので話の筋は記憶にあって
人の居ない世界は強く印象に残っていたんですが
重要な人物との交流の部分はなぜか全然覚えてなかったので
意外と新鮮に読めました。
でも全体的に静かに進むのに最後の方は嫌な急展開でゴチャゴチャしてちょっと蛇足的だなと思いました。
終盤にかけてなぜか主人公の印象が悪くなってきてちょっと嫌いになっていく感じ。
最終的にはまあまあ良かったねという感じにまとまりますが
ある登場人物のせいでなんか嫌な読後感が混じったなと残念な気持ちです。

男女の運命的な出会いがストーリーの肝なんでしょうが
作ったものが蓄積されないとか、今で言う「いいね」が無くても
自分がやりたい事ってなんだろうという事を考えてみるのも良いでしょう。
私は何と言っても人が居ない世界で何するかを考えるのが楽しいです。
数週間ぐらいならこの世界に行ってみたい。
虫に刺されないで山に遊びに行ったりした~い!
頭悪そうな感想~!

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コメント

私も学生のときに読んだことあります!
内容うろ覚えですが
確かに後半で「…うん、微妙。」ってなったのは覚えてます(笑)

投稿: ぽん | 2020年5月20日 (水) 22時19分

ぽんさん
ですよね!中盤までは静かで綺麗な感じの話の流れだったのに変な悪人が……ねぇ。

投稿: 森野 | 2020年5月22日 (金) 20時01分

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