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2020年8月 8日 (土)

【本】山と村の怖い話/平川陽一

山と村の怖い話/平川陽一

短い怪談の詰め合わせ。
山の怖い話は近年ちょっとしたブームなのかよく聞くようになりましたね。
少人数で時には携帯の電波も届かないことから怪談との相性が良い山。
誰もいないのに足音とか、まあ、ありがちっちゃありがちですけど
自分が一人で山を歩いている時に……と思うとやっぱりちょっと怖い。そんな山の怖い話とその他諸々。

山の不思議
村の怪異
不吉な因果
伝説の謎
四章に分かれていて「山の不思議」は一応山に関する話がメインですが
他の章はややカテゴリー性が弱いというか、
呪いの藁人形があったとかヘビがうじゃうじゃ居る別荘とか
思ってた「村の怪異」とかのタイトルとなんか違うものも多い。

短い話が淡々と綴られるのは嫌いじゃないんですが
最初はどこで誰が体験した話という流れなのに
中盤になると津山三十人殺しのような実際の事件の薄いあらすじが出てきたりして
急にやる気が無くなったのか心配になる。

心霊スポットの雑な紹介だけな話も多く、
特に犬鳴トンネルなど「現在封鎖されているようだ」とか書かれていて、知らんのかい!調べて書けやい!
又聞きでも出どころが書いてあるものはまだいいけど、どっかで見たものを薄くしたような話が多いので適当にかさ増ししている感が否めない。
もうちょっと取材するなり考察するなりして独自の色を出すなりして欲しい。
山の怖い話に乗っかって企画したやっつけ仕事的な雰囲気をどうしても感じてしまう。
つまらないという程ではないけど……。

淡々とした短い話をたくさん読みたい人や
あんまり怖いのはダメだけどちょっと怖い話が見たい人などには良いですが
あちこちで怪談話を読んでいる人だと、かなり既視感のある話と知っている事件ネタが多いと思います。


農協仲間のバス旅行の話は面白かった。
旅行の帰りのおっさんが道端にあった石像をこっそり持って帰ったら
家族が立て続けに怪我など不幸に見舞われ……という話。

話の前半で酒を飲んで酔っぱらって暴れて旅館に怒られたとか
どうでもいい事がわりと細かく書かれているのもじわじわ面白い。
倒れかかっていて祀られている気配がないからと言ってお地蔵さんぽいもの持って帰るおっさん。
死ぬほどではないけど怪我したりしてアホな行動してちょっと痛い目をみるくらいのちょうどいい因果で良い(?)ですね。
おっさん本人以外の家族は大迷惑ですけどね!

夏になると世の中が怪談を欲するムードになるせいか、怪談欲が上がって来たな~。

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